「疲れている場所」ではなく「疲れが生まれている場所」:RAKUNECK誕生秘話
「肩がこる」「首が張る」「腰が痛い」。運転疲れに関する声は数多くありますが、そのほとんどが「症状の出ている場所」を問題視しています。湯川国俊氏は、その視点に対して一石を投じます。「疲れている場所と、疲れを生んでいる原因はまったく別のことが多い」と。整体やリハビリの現場で培ってきた湯川氏の整体メソッドの根本には、「原因と結果を混同しない」という姿勢があります。
たとえば「足が重い」と感じていても、その原因は腰や骨盤、さらには首の歪みから来ていることが多々あります。運転中に脚を動かす頻度は少なく、むしろずっと踏ん張っているため、動かさないことで血流が滞り、疲労物質が蓄積するのです。その血流不良が上位の関節に波及し、肩や首の緊張にまでつながる。つまり、疲れは「連鎖」で広がっていきます。
RAKUNECKの開発にあたっても、湯川氏が強く意識したのは「首から始まる疲労の連鎖を断ち切ること」でした。首が安定すれば、頭の重みが分散され、肩・背中・腰に伝わる過剰な緊張が抑えられる。それが結果的に「全身の疲れやすさ」を改善する第一歩になると考えたのです。だからこそRAKUNECKは、首だけではなく後頭部や頸椎までを面で支える設計を採用し、疲労の出発点を安定させる構造に仕上がっています。
また、多くの人が頼りにしているマッサージ機にも、湯川氏は「届かない現実がある」と指摘します。市販のマッサージ機は、表面の筋肉を広く刺激することはできますが、原因となる深部の筋肉や関節間の隙間にはアプローチしづらい。そのため、「なんとなく気持ちいいけれど、根本的な改善にはならない」と語ります。RAKUNECKは、そうした「気持ちよさ重視」のアプローチとは異なり、負荷を正確に分散し、疲れを「生ませない」ことに特化しています。
このように湯川式メソッドの視点では、「どこが痛いか」よりも「なぜ痛くなったのか」にフォーカスします。だからこそRAKUNECKは、首や肩の疲れに直接働きかけるのではなく、それを「起こさない条件」を整える設計になっているのです。
「不調の多くは、姿勢や力の伝わり方が原因で起きている。症状が出る前に、その通り道を整えておくことが大切なんです」。湯川氏のこの言葉は、RAKUNECKの構造と哲学のすべてを象徴しています。